関西エリアを中心に、各地に展開している学習塾ではありますが、2012 年に馬渕教室が稲田塾と経営統合する形で奈良県に進出すると同時に、類塾も奈良県に教室を展開しました。一時期駅前等で積極的に宣伝を行っていたということもあり、その知名度に関してはこのランキングで紹介した他の学習塾に勝るとも劣らないと言えそうです。
この類塾の特徴は、そのきわめて独特な勉強法です。従来的な「詰め込み型」の教育を批判し、その一方で「自考」を中心に添えた勉強法を提唱しています。自考とは、すなわち自分の力で考えるということ。自分で考える力を持つということこそが「天才」を作り出す最良の方法だと考え、授業にはディスカッションの機会が積極的に設けられています。
こうした考えは業界において急進的とみなされており、「このやり方は間違っている」といった批判意見も少なくありません。しかしそれでも、あえてこの類塾を選ぶという生徒、そして保護者の方々もおられます。相性の合う合わないがかなり激しい塾であるとは個人的に思いますが、検討する価値自体は十分にあると言えるでしょう。
目指すは「天才」になること、学習知識の議論や積極共有を図っていく
全国、そして関西には数多くの学習塾が存在していますが、その中でも類塾というのはきわめて個性が強い塾となっています。そのモットーというのは非常にストレートであり、ズバリいって「みんなで天才を目指す」というもの。
社長である岡田淳三郎さんはとても個性が強い人間でよく知られており、ときにその独特すぎる成功理念や教育スタイルは「宗教的」「独善的」と非難されることもありますが、それでも関西をはじめとして大規模なエリアに根付いているというのもまた事実です。小学生、として中学生の子どもたちを天才としていくため、類塾ではいったいどのような教育を行っているのでしょうか。
それは「学習知識の共有」です。通常学習塾というのは、教師が教壇に立ち、生徒はその話を聞くというのが一般的な形式ですが、類塾の場合はそれだけに止まりません。学習した知識を生徒の中で記憶させるだけではなく、その知識を元に生徒同士でディスカッションを行わせる等するのです。
一見学習や受験とはなんの関係もないように思えますが、類塾はこうした過程をとても重要であると考えています。なぜならば、ディスカッションの中で「自分の知識」として、習得した知識を元に作り上げた自分の考えを練り、そして発言していくことによって、それに関連した記憶がより深く定着しているからだと思っているからです。
また、議論だけでなく、他の生徒に自分が教わったことを教師の代わりに教えるという「学びあい」のプロセスを経ることによって、同じように学習知識を自分の中に浸透させていくという効果も期待しています。こうした試みは学習塾としては非常にユニークであり、まさに類塾ならではと言えるのではないでしょうか。
その他にも類塾では「5分間勉強法」「高速音読法」「グループ追求」など、他の学習塾にはない独自性の強いカリキュラムをどんどん行わせることによって、いわゆる「自考」を生徒に身に着けさせようしています。
たくさんの知識の習得が前提とされる中学受験、そして高校受験において、それがもっとも重要であるかというのは議論の余地があるポイントであり、そうしたスタンスを批判する意見がないわけでもありませんが、類塾としてはこのスタイルを一貫して貫き続け、大阪をはじめとする関西エリアで存在感を放ち続けています。
ベテラン教育コンサルタントの設置によって、成績向上の基盤を形づくる
また、類塾がそのきわめてユニークな教育理念に基づく学習法教育法の他に行っているのが、教育コンサルトの各教室への配置です。教育コンサルタントとはいったい何なのかというと、ストレートに言えば勉強のためのアドバイザーです。学習塾における従来までの講師の立場というのは、あくまでも「勉強を教える人」であり、授業後の質問以外は生徒と積極的にかかわることは少なく、その勉強法やスタイルについては積極的に意見しないというのが一般的とされていました。
しかし、類塾の教育コンサルタントは、子どもたちに勉強そのものだけでなく、理想的な勉強法や、ウィークポイントの克服法等をアドバイスしてくれます。それはあたかも経営者に対して助言を行う経営コンサルタントのようであり、ちょっとしたゴージャスさすら感じられます。教育コンサルタントが行う助言というのは、誰にでも当てはまるような一般的かつ画一的なものではないようです。
たとえば、数学が苦手な子どもに対しては、それを克服するための勉強法を提案し、もっと集中力をつけたいと考えている生徒にとっては、そのためのヒミツのテクニックを伝授してくれるという、生徒一人一人の悩みに対して個別の提案を行ってくれる存在のようです。それに加えて、教育コンサルタントが相談に乗ってくれるのは、勉強のことだけではありません。
とくに中学生が抱えてしまいがちな、学校での悩みや家庭の悩みなど、生活に関するあらゆることにもちゃんと答えてくれるのです。こうした生活の悩みが勉強の足を引っ張るということも十分に起こり得ますから、それに対して手助けをしてくれるというのもとてもうれしいことだと考える保護者の方もおられるかもしれませんね。
教育コンサルタントには、いずれも長年教育の現場に立ち続けたベテランスタッフが選ばれているとのことで、信頼性も高そうです。
類塾の集団形式のコース
類塾の集団形式のコースは「本科」「学対特訓」「探究科」の3つに分かれています。各コースの対象年齢や特徴、学習内容についてチェックしていきましょう。
本科
本科は「小学部(小学本科コース)」と「中学部(中学本科コース)」の2つのコースに分かれています。小学部は小学3~6年生が対象で、中学受験を目的としたコースです。子どもの意欲的に学習へ取り組める「内発型学習法」を取り入れているのが特徴です。内発型学習法によって五感が刺激され、集団の中でコミュニケーション能力や発信力が身につきます。
主な受講科目は国語と算数ですが、中受特訓コースを開講している学舎では理科と社会も学べます。一方、中学部は中学1~3年生を対象としたコースです。小学部と同じく、身体と五感を使った「内発型学習法」を導入しています。受講科目は数学・英語・国語です。全教室で開講しているので、入塾のハードルも低いでしょう。
学対特訓
学対特訓は、中学1~3年生を対象とした集団形式のコースです。毎週140分の集中特訓で、定期テスト対策を実施しています。本科コースと同じく、「内発型学習法」で練り上げられたカリキュラムが組まれています。学校の課題と5教科の勉強を効率的に処理する「段取り力」が身につくでしょう。
宿題が早くおわるだけでなく、学校の勉強の内容をより理解できるのでテスト前に焦る心配もありません。「5分間集中法」「高速音読」などのユニークな集中特訓も大きなポイントです。学対特訓は、他塾生や塾に通っていない学生も受講可能です。入会金なしで単科受講できるので、不定期で類塾の講義を受けたい学生や、一定期間お試しで通いたい学生にはぴったりのコースでしょう。
探究科
探究科は年中~大学生を対象とした集団形式のコースです。生物史・サル人類史・文明史(国家の成立と市場の成立)・日本史などを学べます。異年齢クラスなので、さまざまな年齢の学生や社会人との関わりの中で、本物の追求力と構造認識が身につくでしょう。
特別講座「実現塾」では、隔週で最先端の問題を5〜6人組で追求します。そこで出てきた追求ポイントを持ち寄って、200人ほどが集まる劇場会議でさらに追求していきます。各学舎での探求では、実現塾の追求内容をさらに発展させます。テーマに沿って15分ごとに設問を重ね「グループ追求」と「全体追求」で、テーマと向き合います。
実現塾と各学舎での探求はオンライン講義も実施しているので、全国各地から受講可能です。通学の手間や費用もかかりませんし、スキマ時間に勉強できます。自分のペースでより深いテーマを学びたい学生におすすめです。
類塾の合格実績は?
これまで多くの難関校の合格者を輩出してきた類塾。具体的な合格実績を「中学受験」「高校受験」「大学受験」の3つに分けてご紹介します。
中学受験
・大教大附属平野中学校
・近畿大学附属中学校
・咲くやこの花中学校
・大阪女学院中学校
高校受験
・北野高校
・茨木高校
・春日丘高校
・豊中高校
大学受験
・東京大学
・広島大学
・京都大学
・大阪大学
・北海道大学
ガラス張りの教室によって、仲間たちのがんばりを身近に体験する
この類塾が行っているユニークな取り組みは、勉強法だけではありません。教室のデザインも、また個性的なのです。関西エリアに幅広く展開している類塾の教室では、いわゆる「ガラス張り」の状態となっており、なおかつテーブルは円形状で、仲間同士囲んだ状態で授業を行っている風景が、教室の外からでも把握できるようになっています。
こうしたデザインを「プライバシーがない」と嫌がられる方もいますが、類塾側の狙いとしては、「仲間たちが勉強している風景を間近で見やすいようにすることによって、そのがんばりを共感しやすくなる」というところにあるようです。
人というのは、他人のがんばりを見せられると、自分も「がんばらなきゃ」と思わずにはいられなくなる動物です。だからこそ、生徒たちのがんばりを底上げするために、あえてこうしたデザインの教室づくりを行っているのでしょうね。
オリジナルの志望校判定模試に関しては若干批判的な意見も……
独自の試みを行っている類塾ではありますが、Google等で「類塾」で検索をかけると、一部ネガティブなワードが出てくることがしばしばあり、すべての人が類塾のこうした姿勢を快く思っているわけではないということを実感できます(私はどちらでもない、中立の姿勢をとっています)。
とくに強く批判されているのは、オリジナルの判定基準を採用した模擬試験で、「わざと志望校に対する判定を甘いものにし、簡単に合格できると錯覚させている」といった内容の批判をしばしば目にします。
今回私が行ったリサーチではそうした点に関する事実はわかりませんでしたし、批判している側にも決定的な証拠はないようですが、保護者としてはやはり気になってしまうところかもしれません。
類塾に寄せられた口コミ
ここからは、類塾に寄せられた口コミ・評判をご紹介します。判断材料のひとつとして、ぜひ参考にしてくださいね。
子供の可能性を最大限引き出してくれそうです。特に気になる点はありません。自習室も子供達は一生懸命に勉強していました。すぐに結果がみえるようにしたいのだあれば合わないかもしれませんが、長い目でみるといい塾だと思います
引用元:https://www.jyukunavi.jp/
普段の学校の授業では、先生が話しているのを聞くことが多いと思いますが、類塾はインプットだけでなく、議論や他者に学んだことを教えるなどのアウトプットを重視しています。
このような学習方法を取り入れることで記憶の定着率を向上させると同時に、仲間と一緒に考える楽しさを教えてくれる塾になっています。
一人で勉強するのではなく、みんなで考え、答えを導きだしていくことによって、生徒の可能性を最大限に発揮できる環境なのではないでしょうか。